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● 亀田の水穴
亀田の水穴は、水田に必要な水を引き、土地を潤すためにくり貫かれた灌漑(かんがい)用の用水トンネルです。

亀田地域はもともと水利が悪く、かつては山を迂回し約2キロ上流から水を引いていました。しかし途中の漏水がひどく水を充分に供給することができません。江戸時代の初め、この地に来た鉱山師の羽生太郎左衛門が、農民たちの苦労を聞き、山をくり貫いて亀ヶ谷川から直線的に水を引くことを思い立ちます。資金を工面するため津和野の商人青江安左衛門に話したところ「それは結構なこと」とすぐに貸してくれ、太郎左衛門は岩をくり貫き始めました。工事は山の両側で進められ、1645年にようやく貫通。以後、亀田地区では水不足に悩むことなく開拓も進み、現在もなお貴重な水源として使われています。

地域の人びとは羽生、青江両方の恩を忘れまいと二人の死後、墓と祠(ほこら)を建て、300数年を経った今もなお、水穴が完成した3月18日(旧暦時代は2月18日)になると全戸で祠の祭りを続けています。
なお、柿木村には他にも滝穴の切抜き(大野原地区)など数ヶ所の用水路トンネルがありますが、これは亀田の水穴の成功を見て作られたと考えられています。

吉賀町指定文化財(史跡)であり、水穴の長さはおよそ95メートル、高低差は約10メートルあり、水穴の取り入れ口は約50センチ四方で取り出し口は約80センチ四方です。水穴は音を頼りに両方から掘られたようで、結合部は1.5メートルの落差があり、直角に曲がっています。

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