【町長メッセージ】吉賀町名誉町民澄川喜一先生ご逝去に際して

 当町ご出身で文化勲章受章者であります名誉町民澄川喜一先生が、去る4月9日ご逝去されたという訃報に突然接したところであります。

 澄川先生は、当町ご出身で、地元六日市尋常高等小学校から、現在の山口県立岩国工業高等学校、東京芸術大学に進学されました。ご卒業後は、新制作展や個展、グループ展で精力的に作品の発表を続けられ、母校である東京芸術大学では、学長も務められました。多くの後進を育てるとともに、平櫛田中賞や吉田五十八賞などの数々の受賞を重ね、日本芸術院会員や文化功労者に顕彰され、紫綬褒章・紺綬褒章・恩賜賞、そして文化勲章の栄にも浴されました。今や現代日本彫刻界を代表し、牽引する作家のお一人でありました。

 先生の「そりのあるかたち」をはじめとする作品シリーズは、美術史上において確固たる評価を得ています。また、「東京スカイツリー」のデザイン監修や東京湾アクアラインの「風の塔」をはじめ日本各地の公共施設のモニュメントも数多く手掛けるなど、美術界のみならず広く一般にも、その仕事は高い評価と知名度を誇っています。町内には、むいかいち温泉ゆ・ら・らに併設された澄川喜一記念公園に「およりんさんせ」、「風」、「TOTHESKY」、島根県立吉賀高等学校に「翔(しょう)」の4つの作品が設置されています。島根県内でも益田市の萩・石見空港や芸術文化センターグラントワをはじめ多くの作品が存在しています。さらに、先生のご縁で、山口県宇部市とは、UBEビエンナーレ現代日本彫刻展を通じた交流も数年前から行っているところです。

 私も以前から、毎年数回お会いする機会を頂いておりましたが、ここ数年はコロナ禍でそのことも叶わない日々が続いておりました。このような中で、今回の訃報に接し大変残念であるとともに、無念さを痛感しているところであります。先生が、愛してやまなかった故郷を地域の皆さんとともに、これからもしっかり守っていきたいと思います。改めて、澄川先生のこれまでのご功績に対して敬意を表しますとともに、当町の発展に対するご支援ご協力に心から感謝申し上げたいと思います。

 ここに謹んで、ご冥福をお祈り申し上げ、吉賀町を代表してのお別れの言葉と致します。

 

令和5年6月22日

島根県吉賀町岩本一巳

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