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埋もれた宝を活かして、ひとがつながる。ひがん花まつり実行委員会

ひがん花まつり実行委員会メンバー

(ひがん花まつり実行委員会実行委員長池下邦枝さん、メンバー池下弘幸さん)

プロフィール

2007年(平成19年)に吉賀町蔵木利光地区の住民で結成。地区に自生する約3ヘクタールのひがん花で地域を元気にしようと、自生地の維持・管理や2008年(平成20年)からは「ひがん花まつり」を開催している。祭りには毎年町外・県外から多くの方が見に来られており、吉賀町の大きなイベントの1つとなっている。

一面に咲くひがん花

(蔵木利光地区のひがん花の里)

地域の宝を活かす、ひがん花まつりの始まり

2007年(平成19年)に「吉賀町地域リーダー養成塾」の講師であった熊本県人吉市の本田節先生に出会い、「3ヘクタールの広さに自生するひがん花を地域おこしに活用したら?」と背中を押されたことがきっかけです。利光地区の全住民(3軒5人)が「ひがん花まつりを開催して、たくさんの人たちに見てもらおう」ということになり、早速一緒に活動してくれるメンバーを他の地区から募り「ひがん花祭り実行委員会」(現在10名)を立ち上げました。また近くの栗園にもひがん花の自生があるので、栗園の管理者であるNPO法人よしかの里(地域活動支援センター)とも一緒に行うことになりました。
そして2008年9月(平成20年)に、第1回目のひがん花まつりを開催。地区住民がボランティアで行っているので、当初はテントもなく、竹竿を組んでブルーシートを張った出店でお客さんをもてなしました。今では吉賀町、宝くじなどの助成金を受けて立派な備品をそろえることができ、また会場や駐車場などの整備では地元の方々に大変な御支援をいただき立派な「ひがん花まつり」を開催できるようになりました。

メンバー

(ひがん花まつり実行委員会メンバーの一部)

まつりの取り組み

毎年2月にメンバーで集まって草刈やひがん花まつりの年間計画を立てます。草刈は3月から9月初めまで毎月(第3日曜日)よしかの里の方たちと行っていますが、月に1回の草刈りでは追いつかないので、メンバーがそれぞれ都合のいい時に自主的に草刈りをしてくれるのでとても助かっています。
ひがん花まつりは、お彼岸の9月23日に一番近い、土・日曜日の2日間開催しており、まつりの2日間で、町外・県外から約2,000人が来られます。6~8店の出店が地産品を活かした自慢の味を提供したり、余興では地元の石見神楽やバンド演奏・歌謡ショーなどを行い、みなさんに楽しんでいただいています。
祭りの日以外でも、ひがん花が咲き始めて盛りを過ぎる2週間に個人のカメラマンの方、団体のバスで来られる方など延べ300人は来られると思います。広島県からのカメラマンが多く、毎年、2度3度来られる方もたくさんいらっしゃいます。ひがん花を通じて、地域外の人たちとの交流も増えましたね。

まつりの風景(テント村) まつりの風景(来客)

(ひがん花まつり当日の様子)

宝が気づかせた、地域への思いと誇り

ひがん花まつりを始めてからたくさんの人たちに来ていただき、私たちは、「自分たちの地域にはいろんな宝物がたくさんある。大切にしよう」、「来てくださるたくさんの人たちに、恥ずかしくない地域にしよう」という気持ちになってきました。
先日、「ひがん花の里」の看板付近の県道沿いに、ポイ捨ての空き缶やペットボトル、ゴミがたくさん散乱していました。メンバーで「清掃して、ビニールひもを張ったら、捨てんようになろうじゃ」と言うことになりました。すると、どこかでその話を聞いた「しめ縄会」の人が「ビニールヒモじゃ効果がない。ワラ縄を編んじゃろう」と。そして大工さんが「鳥居を建てたら効果があるとテレビで言うとった。わしが鳥居を作ろう」となりました。また鳥居を建てる日にゴミ拾いをしていると、メンバーが通りかかり、自宅からチェンソーを持って来て、鳥居の周りの木や竹を切り払ってきれいにしてくれました。それぞれが得意分野で協力してくれたおかげで、午前中で作業が終わり、午後からは県道沿い500mの間のゴミ拾いをしました。
これもメンバーの「自分たちの地域は自分たちで守っていく」という想いがあるからこその行動だと思います。「利光地区は何かあったら団結する」それがこの地区の強みだと思いますね。

蔵木地区清掃 鳥居設置

(清掃時の様子(左)、鳥居としめ縄を設置(右))

地域への思いを次の世代へ

この県道沿いは、「ひがん花まつり」だけでなく「カタクリまつり」、「水源祭」そして「よしか・夢・花マラソン」のコースということで、たくさんの人たちに来ていただくので、「恥ずかしくない地域」でありたいと強く思います。それが「故郷を愛する」ということではないでしょうか。
この思いを子供たちに伝える方法は、その思いを行動にあらわして見せることだと思います。子供たちもきっと私たち大人の背中をじっと見つめて、理解して同じ行動をとってくれるのだと思います。
そのためにまずはひがん花に関心を持ってほしいと考え、ひがん祭の当日には中学生グループの「クラギ・ライジングサン」や地元の若者のグループ「水無会」に参加してもらってお店の手伝いをしてもらったり、小学生にはひがん花の絵を描いてもらって展示をしたりしています。メンバーの中には、県外に住んでいるその子供や孫たちが、ひがん花まつりには帰って来て手伝ってくれるようになりましたよ。

ライジングサン出店 絵の展示

(クラギ・ライジングサンの祭への出店の様子(左)、蔵木小学校の絵の展示(右))