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紅(あか)そばの花が一面に。紅そば花見会実行委員会

茅原忠夫さん

(紅そば花見会実行委員長・茅原忠夫さん)

プロフィール

紅そば花見会の実行委員長・茅原忠夫さん。有限会社サジキアグリサービス代表者。2005年(平成17年)に長野県の会社から依頼を受けて紅そばの種の栽培を行っていたが、それを活かしたいと思い、2007年に桟敷(さじき)地区で実行委員会を立ち上げ。2008年(平成18年)から紅そば花見会を開催している。毎年県内外から多くの方が見に来られ、吉賀町の大きなイベントの1つとなっている。

紅そばとの出会い、紅そばイベントへ

紅そばの花 紅そばの畑

(紅そばの花(左)、約2ヘクタールの紅そばの畑(右))

うちが紅そばを栽培することになった経緯は、信州大学の氏原教授とご縁があったからです。最初は氏原先生と長野県の種苗会社から、紅そばの種の栽培をして欲しいと頼まれたんです。このそばは、もともとはヒマラヤの標高3,800mの地に咲く紅い花で、それをそばの研究をしていた氏原先生が見つけて、種を日本へ持ち帰り、日本で栽培できるように種苗会社と共同開発したものが「高嶺ルビー」なのです。
長野県だけの栽培だと天候異変が起きたときに困るから、気温の低いこの地域で栽培をしたいという話を引き受けました。気温が10℃以下にならないと咲いた花が濃い紅にならないんです。
それから5年ぐらい経った後に「紅そばのイベントをしたい」と長野県の会社に相談したところOKが出たので、桟敷(さじき)地区の人たちに相談しました。前からお客さんが紅そばを見に来られていたので、「桟敷地区のみんなでやったらいいんじゃないか」と話が盛り上がり、実行委員会を立ち上げました。メンバーは子どもを含めて10戸50人、紅そばの管理はサジキアグリサービスで行っています。
そして2008年に第1回紅そば花見会を開催したのですが、その少し前に吉賀町を訪れていた新聞記者の目に留まって新聞に載り、広くみなさんに知られるようになりましたね。
 

花見会の取り組み

2008年から毎年10月〜11月の花の見頃に1日だけ「紅そば花見会」を開催しています。山口県や広島県を中心に毎年700〜800人、多い年では1000人の方が来られます。大阪や九州から見に来られた方もおられます。祭り1年目はこんなにも人がいっぱい来るとは思っていなかったので、むすびを100個、手打ちそばを100人分ぐらい準備すれば足りるだろうという感覚でいました。しかし祭り当日は、国道にまで車が並んで待っているという状態になったので、2年目からは近くの六日市医療技術専門学校の駐車場を借りたり、ガードマンを雇ったりしています。カメラマンの方はお互いにネットで情報交換をして、イベント前に撮りに来られたりもします。いろんな方に紅そばを見に来てもらうのでとても嬉しいですね。
花見会では、新そばと紅そばの食べ比べや、地元産品の出店、神楽などを行っていて、みなさんに楽しんでもらっています。ちなみにうちで栽培している紅そばと新そばの手打ちそばは、祭りの時にしか食べられません。最初は「花を楽しんでもらおう」と思っていて、紅そばを食べてもらうことは考えてなかったんです。そばの食べ比べを行うようになってから祭りがにぎやかになりましたね。桟敷地区では人数が足りないので、近くの田丸や七村地区の方にも手伝ってもらっています。


花見会の様子 紅そば、新そばの手打ち

(紅そば花見会会場(左)、紅白そばの手打ち(右))

お客さんが励みに。花見会が地域の団結力に。

紅そばは種を撒かないと芽が出ないので、うちの会社で毎年種を購入したり、種を撒く作業を行っています。また花見会の実行自体がボランティアで成り立っているので、正直大変なところもありますが、紅そば花見会は今後も続けていきたいと思っています。地域の老若男女全員が集まる大切な場になっているしね。
花見会の出店者は、地域住民の意気を上げるためにも、「地元のものを売りたい」、「お客さんに吉賀町のものを食べて帰ってもらいたい」というこだわりを持っています。特に婦人会では、「今年は何を作ろうか」などと話が盛り上がりますし、花見会の反省会では、「今年の開催日は遅かったか?早かったか?(花の見ごろと花見会の時期)」、「婦人会のメニューはどうだったか」、「ここを改善しよう」など来年に向けてのいろんな意見が出ます。お客さんから「よかった」、「おいしい」などと言ってもらえるとうれしくて、来年も頑張ろうと思うんですよね。花見会の回数を重ねる毎に、みんながお客さんの対応も上手になっています。最初はガチガチだったのにね(笑)。花見会を開催するようになってより桟敷地区の団結力が高まったと思います。

 

婦人会による加工品販売 婦人会の出店状況

(婦人会による出店)

 

他の町内イベントとの連携の大切さ

吉賀町にも毎年いろんなイベントがあって町内はもちろん、町外・県外からもお客さんが来られるので、イベントのスタンプラリーがあったら良いのではと思います。イベント1つ見に来られたらスタンプ1個が押され、何個スタンプがたまったら吉賀町の特産品がもらえるとか。そうすれば毎年沢山の人に吉賀町のイベントに来てもらえると思うんです。他の町内イベントとの連携ですよね。そういうものもあって良いのではと思います。