六日市学園の介護福祉科、看護科の学生さんに座談会をしてもらいました!
座談会のメンバー | |||
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介護福祉科 (21期生) |
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山本さん:吉賀町出身 | 松田さん:吉賀町出身 | 田中さん:益田市匹見町出身 | |
看護科 (18期生) |
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中野さん:広島県出身 | 池田さん:福岡県出身 | 中渡さん:熊本県出身 |
【山本】介護福祉科の山本です。私は前職は製造業だったのですが、生産調整などで収入の変動も多くこのままでは経済的に暮らしていくのが厳しいかなと思っていました。そのタイミングでたまたま母が私に六日市学園の学生募集のチラシを持ってきたのがきっかけです。もともと介護の仕事をしたいという強い思いがあったというわけではないのですが、介護の勉強をして、就職しなおしてみるのも良いのではと思い入学を決めました。
【松田】介護福祉科の松田です。私は小学校や中学校の授業の中で、デイサービスや福祉施設に行ったのがきっかけです。ゲームなどで高齢者の方と触れ合っているうちに、高齢者の方と関わる仕事もいいかなと思い始め、入学を決めました。
【田中】介護福祉科の田中です。入学した理由・・を話せば長くなりますが・・・(笑)。私はここに入学する前は広島で飲食の仕事をしていたのですが、いろいろあって(笑)入学の1年前ぐらいに前職の飲食の仕事をやめました。人と接することは好きだったので、飲食の仕事を辞める時に自分でお店を出しても良いかなと思っていたのですが、何か違うことがしたいという気持ちもあり、看護師の学校に入る勉強も始めていました。そんな時に祖母から六日市学園のことを聞きました。六日市学園の介護福祉士科に入れば、介護福祉士の国家資格が取得できる。看護師と同じではなくても似たような仕事ができるのではないかと思い、入学を決めました。
【中野】看護科の中野です。私の場合は、ほんとにたまたま色々な条件が揃っていたからです。今年准看の免許を取ったんですけど、正看でどこの学校に行くか考えていました。私には家庭があって、小さい子どもがいるんですけど、子育てをするなら田舎が良いと思っていました。また祖父祖母が七日市地区に住んでいて、馴染みのある土地だったし、約1年前に祖父祖母の家が空き家になったんです。七日市は学校から近いし、子育て環境や住む家もあったし、吉賀町は六日市学園生に対して生活の面で色々と支援をしてくださっています。この上ない条件が重なったかと。神のお告げがあったというしかない!(笑)
【池田】看護科の池田です。私は今年准看の学校を卒業し、准看護師の免許を取得したのですが、卒業後の進路を検討している時、准看護学校の先生に、「ここは生活するのにあまりお金がかからないよ」と、六日市学園を勧められたのがきっかけです。准看学校では自分で学費を支払っていたこともあり、お金の面で決めました。奨学金もあるし、住むアパートもあるし、働く病院も近いですしね。初めて見学に来た時はすごい田舎で、一人で生きていけるのかなと思いましたが、実際に来てみると病院の看護師さんも、町の人も優しいので来てよかったなと思っています。近所のおじさんから野菜や米をもらったりすることもあるし、食べ物はおいしいです!
【中渡】看護科の中渡です。僕は九州の准看護師の学校を卒業し、六日市学園に入学しました。准看の学校卒業後の進路では実は最初、鹿児島にある正看学校を受験していました。ところがそこを落ちてしまいさあ大変!あわてて学校を探していました。そこでたまたま進路指導室のダンボールに山積みされていた学校案内を見ていたら、その半分以上が六日市学園のパンフレット(笑)。見ると写真の建物が立派だし、みんな楽しそうにしているし。実は入学試験と学校見学が同時で、ここに来るまでは学校のこともよくわからないし吉賀町ってどこって感じなのですがとりあえず受けてみようと。試験の前の日に旅館に泊まったんですが、そこで知り合った町内在住のおじさんに「熊本から試験を受けに来たんです」と話すと、ご飯をご馳走してくれて、面接の練習までしてくれました。“吉賀町の人はすごくいい人だ!”と思いましたね。ここは星もきれいだし、環境的にも自分の実家に似ていていることもあったので、もう受かったらここにするしかないと思っていました。
(座談会風景)
【池田】落ち着いた環境で、ゆっくり学ぶことができるのが良いと思います。
【中野】県外から来る人のイメージとしては、田舎で寂しいんじゃないかと思う人もいると思うけど、必ずしもそうではないよね。
【中渡】住めば都ですよね。
【池田】都会から吉賀町に来たら、何もないし、何をして過ごすの?って思うのかもしれないけど、実際過ごしてみたらそうでもない。中国自動車道の六日市ICがあるから山口も広島も車があれば1時間ちょっとで行けます。九州でもどこでも行けますよね。
【中渡】大阪にも行けるしね。
【田中】学びやすい環境だと思う。ただ、やっぱり町内に遊ぶところがない!
【中野】飲食店そんなにないですよね。お茶するところとか。最初はそれを求めてよく益田とかに出ていましたが、最近その欲がなくなってきました(笑)自分の家のことをしていたら楽しいです!
【池田・中渡】そうそう、段々なくなるよね(笑)
【池田】寂しいのは最初だけだよ。
【中渡】入試の日の夜にホームシックになりました(笑)それ以来なってないです。看護科は、定時制課程のため授業がない日は、町内にある六日市病院で看護師として働いている人も多くいます。ただ学生生活と病院での看護師の仕事との両立はやっぱり大変です。そこは覚悟が必要ですね。
【池田・中野】そうだね〜(頷く)
【山本】六日市病院で働かれてみてどうですか?
【中渡】六日市病院は人材育成に力を入れておられますよ。学生1人に対して指導者が1人付くんですよ!1対1で教えていただけるんです。
【池田】介護福祉士科の皆さんは、学生生活どうですか?
【山本】介護福祉科の授業は基本的には月曜から金曜日までの週5日。でも午前中で終わったりすることもあれば、月曜授業が休みだったり、土曜日に授業があったりすることもあります。介護福祉士科の学生もアルバイトをしている人はけっこういますけど、病院や福祉施設で介護のアルバイトをしている人は少ないと思います。私自身では学生生活はすごく楽しんでいます!
【田中】介護福祉科の学生には離職者訓練制度を利用して勉強している学生も多いので、仕事をしている人が少ないんだと思います。なので、バイトをしている学生もいますが、ほとんどの学生は学校での勉強に集中して取り組んでいます。
【松田】介護福祉科では2年間で4回の実習があります。実習先は吉賀町内の福祉施設以外にも益田市、浜田市、山口県などです。長い実習の時には施設内で泊まりもありますよ!
【中渡】皆さんは休みの日は何をしていますか?
【田中】僕は、吉賀高校前の学生アパートに住んでいるんですが、みんなで集まって飲むぐらいでしょうか。あとは益田市内に出て居酒屋で飲んだりすることもあります。
【中野】僕は中渡くんの影響を受けて、筋トレを始めました。毎日筋トレの話ばかりだよね。
【中渡】そうだよね(笑)看護の知識が活きるね!体の地図帳が頭の中に入ってます!
【池田】バレーやバトミントンなどの地域サークルに参加している学生もいますよ。地域の人と関わることが多いですよね。
(六日市学園外観)
【池田】私は病院の外来で働いているのですが、六日市病院の救命医療はすごい先端をいっているって言われていて、実際に外来の看護師さんは知識が豊富で行動力がすごいです!何も分からない私たちでも、見ていてすごいなと思います。そういう面では、周りの人を見て学ぶことが多くあります。こうすればいいのかとか、こうしなきゃいけないのだと思うので、吉賀町にあるこの病院で働けてよかったなと思っています。
【中渡】まさにその通りですね。
【山本】吉賀町は、女性のご長寿全国2位になりました!ある意味では2050年の日本を先取りしている高齢化先進地域です。また六日市学園は介護福祉士国家資格の模擬試験での成績も全国でも上位です。これはあまり遊ぶところがないのが良いのかも(笑)
【中野】あとは通学・通勤に渋滞がないとか、自然があることですかね!僕はもともと自然が大好きだったので、ここに住んでいて四季の楽しみがある。6月は蛍、7月は川で泳げる、10月は柿とか。
【池田】私の地元も田舎だけど、川は吉賀町みたいにきれいじゃない。
【中渡】ここ山が近いですよね!
【中野】紅葉を見てたら毎日うわぁって感動しますよ!安蔵寺山の登山口の紅葉すごいきれいじゃないですか!山水も汲みによく行ってますよ。コーヒーや水道水がおいしい!水がおいしいとお米炊いてもおいしいし。最近地元の人から味噌を買ったんですけど、めっちゃおいしかった。こっちで大根食べたときに、なんて甘いんだと思ったもん。ほんとうに。食べ物はおいしいですよね。自然のものには適わない。
【松田】私たち地元の人は自分のところとか近所で野菜作っているからあまり買わないかな。
【中渡】そうなんですか!
【山本】確かに近所の人にもたっらりすることも結構あります。
【中野】僕は知り合いの人から米をすごい安い値段で売ってもらってます。あと子どもを育てる環境は良いと思いますけどね。町からも子育て支援がすごくあるし、小学生や高校生でも挨拶をしてくれますよ。
【中渡】車の中にいても挨拶してくれますよ(笑)
【松田】挨拶するように学校で教えられた記憶があります。
【中野】すれ違って挨拶することが私の地元ではないから、すごいな〜って思います。
【池田】私の地元でも「挨拶してね」って言っても、する子はそんなにいないです。
【中渡】気持ちがいいですよね。悪い子はいないですよね。
【中野】あとここって60、70歳になっても肌がきれいな人が多いですよね。やっぱり水がきれいだからですかね。
【池田】逆に、地元の人から見た吉賀町の良さって何ですか?
【松田】やっぱり空気がおいしいとこですかね。
【山本】そうだね!車の量も都会と比べたら全然違うもんね。
【池田】高速道路の六日市インターがあるけど、雪がいっぱい降ったら、通れないんですよね?雪降ったら六日市から出られないって聞きましたよ(笑)
【山本】いやそんなことないですよ!
【松田】まだ吉賀の冬を経験していないんですね。「ホウムシ」が多かったら、雪がよく降るって言いますよね。ホウムシはここの言葉でカメムシのことです。
【池田】なんかこっちに来て見たことない虫がいっぱいいる(笑)
【中野】僕の子どもはすごい喜んでるけどね。図鑑で調べてるよ。
【中渡】図鑑に載ってるんですか?
【中野】載ってるよ!
(教室からの風景。吉賀町の四季が感じられる。)
【中渡】入学前は働いていて、今まで看護にあまり携わっていなかったんですけど、今は准看師として重症の患者さんを診たり、注射したり、呼吸器つけたりするので、医療に関われているし、その面では少しは成長できているのかなと。
【池田】いろんな人と話して、コミュニケーション能力が身につくよね。
【中野】中渡くんと出会って、筋トレの質が向上したことですかね(笑)。あとは自然が豊かなので、その影響が大きいのかなと。
【松田】私は高校卒業後、准看の学校に通っていたのですが、その時もここも同じで年齢層も幅広かったし。私は良い意味で特に変わったことはなく、想像通りですね。
【田中】学校に入るまでは介護のことはテレビで見るぐらいしか知らなかったけど、いろんな耐性がつきましたね。例えば、実習で普段見ないようなものを見ますし。また今までだったら接しなかった幅広い年齢層の高齢者の方と接するので、接し方やどんな方なのか人間観察ができるようになったことですかね。
【中渡】皆さんは高齢者の方と会話をするときってどんな話します?
【田中】う〜んなんだろう。やっぱり天気とか(笑)
【中渡】やっぱり天気ですよね!なかなか会話が続かないんですよね。自然の話しかできない
【田中】まずは「だんだん寒くなってきましたねぇ」と天気・季節の話題から話を広げて、好きな食べ物とか花とかその人の好きな話題を探していく感じでしょうか。学校に入学してから会話のボキャブラリーは増えたと思います。飲食店で働いていた時には使わなかった言葉もいっぱいありますし。
【中渡】吉賀町はみんなが知り合いですよね。僕はコンビニとかで職場の人に出会ったら、話しかけますよ!こっちに来て、知らない人と友達が増えましたね。
【山本】フレンドリーな性格なんですね!
【中渡】実はこう見えて人見知りなんですよ(笑)
【松田】そうなんですか!
【中渡】自分でもビックリです!吉賀町の人柄が良いからですかね(笑)
(六日市学園の入浴介助実習器具(左)、介助ベッド(右))
【中渡】介護福祉科は、生徒の年齢層が幅広いですよね。
【山本】そうですね。下は18歳から、上は60代までいらっしゃいます。いろいろな年齢の方がいて、いろんな経験をしてきた方がいます。これまで知らなかった世界の話も聞くことができるのが良いところかと思います。
【中渡】いいですよね!頼りがいがあって、心強いですよね。話をしていて楽しいですよね。あとこの学校は自分を出せますよね!
【中野・池田】そう!先生が優しい!
【中渡】優しいから、何でも受け止めてくれる感があって、何でも言える。
【中野】それはあるね。包容力がある。
【池田】話を聞いてくれる。土地柄が出とるよね。
【中渡】でも優しすぎて、だらけちゃう時もあります。もう少し厳しくしてくれてもいいのに、なんて(笑)。
【田中】言葉が優しい先生が多い。言い方がきつい先生がいないですよね。介護福祉科の先生は良い意味で放任主義かな。自主性が伸びるけど、だらけてしまう部分もある。そういう気持ちがある人とない人と分かれますよね。まぁ自分次第ですね。
【山本】私はこの学校に入学してよかったと思っています。良いクラスに恵まれたし、楽しい。先生も良い人ばかりだし、進路の相談もできるし、良い学校だと思う。
【松田】先生が親身になって接してくれるっていいですよね。
【中渡】あと趣味が増えますよね。周りに何もないから自分から求める。チャレンジ精神がつきますよね!
【中野】チャレンジ精神があったら、ここは楽しいよね!
【池田】田舎が好きで、人付き合いが好きな人にはこの学校はいいよね。
【田中】今後の仕事にも活かせるしね。
【松田】私は介護福祉士として、地元で就職を考えています。
【山本】私は広島の福祉施設で働きたいと考えています。
【田中】僕も広島で就職予定です。みんな福祉施設じゃないかな。あとは障害者施設とか。
【池田】介護福祉科の皆さんに質問です!病院と福祉施設の違いってなんですか?
【田中】病院は「治療」するところ、施設は「生活」するところですね。それが看護と介護の大きな違いとも言えるかもしれません。
【中野】病院だったら看護助手ですよね。オムツ交換とか、備品管理とか。
【池田】病院と施設では、高齢者の方への関わり方も変わってくるってことですか?
【田中】ただ実際のところ仕事内容はそんなに違いがないかもしれません。病院でも福祉施設でも「生活」を支える仕事の内容はそんなに違いはないですから。ただ病院に就職する学生は少ないかな。それに今は施設といっても特別養護老人ホームとか老人保健施設以外にもサービス付高齢者住宅のような新しいものもできてきました。また支援員として障害者施設に行ったりする人や社会福祉士を取ろうとする人もいるみたいです。看護科の皆さんは?
【中野】卒業後3年間は六日市病院で働きます。
【池田】奨学金を借りているので、3年間働いたら、返済になるんです。
【中渡】3年後は地元に戻って、看護師として働く予定です。
【山本】私は一旦地元を離れていましたが、学校に入るためにUターンで吉賀町に戻ってきました。友達にも地元を離れたけど、帰ってきているという人がかなり多い用に思います。吉賀町という土地は住みやすいところなのかなと思います。
【中渡】とりあえず行き詰ったらここに帰ってきなさいってことですよね。
【松田】ですね。帰ってこられる場所があったと。
【中渡】それが「ふるさと」ですよね!
【松田】ほんとにそうですね。
【中野】ここは良い意味でずっと変わらない場所。だからこそ帰ってこられる場所でもあるっていうことでしょうか。
【一同】(頷く)